好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*
第12章 星空に想いを/天side
「少しは落ち着いた?」
「(落ち着くわけないでしょ!心臓バクバクしてるし)」
「ねぇ……ボクはいつまでキミの背中を見ていればいいのかな?」
観覧車に乗ってすぐにボクに背中を向けて窓にへばりついた。
そろそろ頂上に着く頃なんだけど。
「……ボクを見て」
「っ……!
(無理だよ~。恥ずかしいもん)」
キミは窓に映っている姿をボクに見られていないと思っているの?
ちゃんとボクには見えているんだよ。
今は耳まで真っ赤にしているよね?
恥ずかしがるキミはとっても可愛いよ。
そんなキミを見ているだけで、ボクは嬉しくて口元が緩んでしまうんだ。
「キミに話があるって言ったよね?」
「うん……」
「ちゃんと顔を見て話たいんだけど……こっちをむいて」
「(ダメ!いま天の顔を見たら死ぬ!)」
小さく首を横に振る。
そっか……じゃあ、仕方ないよね?
口で優しくお願いしたけど、いう事を聞いてくれないキミが悪いんだよ?
ボクはゆっくりとした動作での隣りに座ると、背中からゆったりと抱きしめた。
ボクの腕の中で体を強張せる。
緊張しているのかな?
俯いて頬にかかった髪を梳くい、耳にかけると小さく体を跳ね上がらせている。
そんな反応が可愛いくて愛おしい。