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好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*

第10章 唇で煽ってよ/天side


ベキッともボキッとも聞こえる音で我に返ったボク。


___ボクはに何をしようとしてた?



音の方向を見ると額に青筋をたて、右手には半分になったであろうボールペンを握りしめる里絵の姿。

その後ろにはだらしなく口を開けている楽と龍の姿もある



「……そろそろ衣装に着替えて」

「あ……うん……」


そそくさとボクから離れていくの後ろ姿を見ながら小さく息を吐く。


うん、大丈夫。
いつものボクに戻ろう。


ちょっと暴走気味だった自分を諌め、いつも通りに楽と龍に声をかけていく。



「どうして2人が此処に来てるの?」

「応援だよ」

「ああ、一応な」

「ふーん。龍は本当に応援してくれる気持ちで来てくれたんだろうけど、楽は違う目的じゃないの?」

「なんだよ、それ」

「里絵に会いたかっただけでしょ」

「んなこと……」

「あるでしょ」

「……(否定はしねぇけどよ)
おまえが心配だったのも事実だぜ」

「はあ?ボクが?なんで?」

「天」



ボクの肩を組んで耳打ちをしてくる楽に暑苦しさを感じて眉をひそめてしまう。



「おまえ、大丈夫かよ」

「なんのこと?」

「さっきに何をしようとしてたんだよ」

「さっき……?キスしようとした事?」


楽の手を振り払い、ボクは距離を取った。


「演出の一部に決まってるじゃない。変な邪推はやめてよね」

「演出の一部__ねぇ」



納得しない楽を横目にボクは着替えをするために楽屋へと向かって行った。


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