好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*
第10章 唇で煽ってよ/天side
「はい、ストップ」
「ダメ」
「これがキミの実力?」
何回踊ってもボクはOKをださない。
OKを出さないからは何度もステップを踏んでいる。全身から汗を流して息を切らせて。
そんなキミを可愛い、綺麗だと見惚れてしまっているんだ。
ボクのダメ出しには文句も言わずについてきてくれる。
本当に素直で可愛い。
ごめんね、。
キミは悪くないんだ。
悪いのはボク。
キミは充分にボクを煽ってきているよ。
このボクが次のステップを忘れてしまうくらいに
(プロとして失格……)
が潤んだ瞳でボクを見つめてくる。
柔らかい手がボクの手を包み込んで、誘うように妖しく腰をくねらせていく___
それを見ているだけで、体感しているだけで胸が押し潰されそうだよ。
キミにもっと触れたい、触れてほしい
腰に回した指に力を込めたくてたまらない
このまま抱きしめたい。
「……(天……?)」
「っ……」
絡み合う視線
キミの瞳に映るボクの顔
耳まで赤くなりそうな自分を誤魔化したくて、ボクはキミの顔に顔を近付けてしまう。
ねぇ、キスしてもいい?