好きになったっていいじゃない【アイナナ】R18*完結*
第8章 グルグルまわる
レコーディングから数日たったけど、私の頭の中はモヤモヤとしていた。
どうしよう?
どうしたらいい?
頭の中が天で埋め尽くされていく。
本当はどうだったんだろう?
おでこにキスされた?
されてない?
一瞬の出来事だったし、びっくりして記憶があやふやなんだけど
(もしキスが本当ならちゃんと頭の中に擦り込んでおきたかった)
おでことはいえキスをするっていうことは……
特別な意味があるのか?
え……?
あるの?
まさか……嘘だろ?
いくらなんでも自分の都合が良いように解釈しすぎだよな?
天が……
あの天使のような天が……
私みたいな女を好き……
「口にするのでさえはばかれるな」
ちょっと自意識過剰かな
じゃあなんで?
なんで私にキスしたの?
『ボクと一緒に気持ち良いコト……しようか?』
「っ……!」
テレビから流れてくるCM
アップの天がシャンプーを片手に妖艶に微笑んでいる。
「ねぇ……天……あのキスの意味は?」
この時の私は『ご褒美』という言葉がすっぽりと抜けていたのに気付いてなかったんだ。