第2章 素敵な帰り道(安室透)
「……ありがと蘭。でも釣り合わないのは私も分かってるから!でもやっぱり好きなんだよね~……って事で、ポアロ行くよね??」
最早ここでダラダラ話している暇はない。
また先程のようににっこりとした笑顔をみせたは、赤面したままの蘭とめんどくさそうな顔の園子の手を引き、学校を後にしたのだった。
「さっすが私の親友たち!すぐついてきてくれるなんて!」
ルンルン気分でポアロへの道を先陣を切って辿る。
その後ろに疲れた顔で歩く2人。
「ったくもー、強引なんだから……毎回毎回付き合わされるこっちの身にもなりなさいよね……」
「強引さでは園子も負けてないと思うけど?いいじゃない……ちゃん、家庭教師とかバイトとかで結局行ける日が少ないから、嬉しいんだよきっと」
携帯をいじりながら蘭が言う。
そう、は結構ハードスケジュールなのである。
だから今日みたいに家庭教師やバイトがない日じゃないと行けない……皆の予定も被ってないと行けないチキンだから、基本的には蘭や園子にスケジュールを事前に教えて付いてきてもらってる。
今日はたまたま家庭教師の先生が来れないみたいだから、急遽行ける事になったのだが。
「まあが忙しいのは分かるけど…………
……あ、ねえ蘭私いい事思いついた」
が前だけを見て居るのをいいことに、にやにや笑いながら蘭にヒソヒソ話をする園子。
蘭は最初困ったような顔をしたが、「これもの為なんだから」という園子の言葉に納得したのか、笑顔で頷いた。
そんな2人の様子を知らずにくるっと振り返り話始める。
「さっポアロついた!!!お腹すいたし安室さんに会いたいし早く行こ!今日も居るといいな……」
「僕がなんです?」
ビクッ!!!!
いきなり肩を触れられ反射的に驚く私。
「ああああ安室さんん!?」
エプロン姿で箒とちりとりを持ち、掃除中であろう安室さんに声をかけられてしまった……
ああ、そんな姿もかっこいいですね…………
じゃなくて!一体いつからそこにいたんだこの人は!そして今の聞かれてたか!?恥ずかしすぎる!
赤面してフリーズする私に躊躇いなく話しかける安室さん。