第2章 素敵な帰り道(安室透)
キーンコーンカーンコーン…………
授業終了の合図が学校内に響き渡る。
その瞬間バタバタと帰り支度を始める帝丹高校の生徒達。
2年B組もまた、バタバタと皆帰る準備をしていた。
と、そこへ……
「らあああああん!!!!」
もう既に身支度を整え、毛利蘭の机にバァン!!と両手をつく。
ビクッとしながらも察した様な顔でおそるおそるを見る蘭。
「一緒にかーえろ??」
にこにこした顔の中に何か企みが見える。
「何が一緒にかーえろ、よ。アンタまたポアロ行く気でしょ。」
「ウッ……園子……なぜバレたし」
返答したのは蘭ではなく鈴木園子。
さすが自称女子高生名探偵、お見通しってわけね。
「いいじゃんかー!!一人で行くのもさみしいし、皆で行こ?すぐ行こ?蘭の家の下じゃん!来てくれるでしょ!」
「アンタは積極的なのか寂しがり屋なのかはっきりなさい!!キャラぶれてるわよ!!」
「なにそれ!漫画家の編集長みたいな事言わないで!」
「いや、そのツッコミもどうなのよ」
そんな2人のやりとりを これは早く帰れないな、なんて思いながら苦笑いして見る蘭。
そう、はどうしてもポアロに行きたい理由がある。それはー
「大体ねえ!安室さんが好きなら早く告白しちゃえばいいのよ!」
園子がじれったそうに言い放った。
「それが出来たら苦労しないわ!ていうか今しても振られるだけだからしないわ!振られてギクシャクするくらいならまだアタックしたいの!」
「ちゃんそういうとこ現実的だよね……尊敬する……」
蘭がぼそっと言ったのを聞き逃さなかった2人は、一気に蘭をマークして話し始める。
「おおっと~?会話に参加しましたな蘭。やっぱり余裕ね~“ まあ私には愛しの新一がいるもん♡”って感じよね~?」
「そっか…園子から話聞いてる限り2人はラブラブカップルみたいだしね……クッ羨ましい……!!」
どんどん話がそれて膨らむ事に危機を感じ、慌てて蘭が話を戻す。
「ちょ、ちょっと!なんでそこで新一が出てくるの!?関係ないでしょ!!
それにさ?あ、安室さんとの事だって……ちゃんなら振られるとか絶対ないよ……」
赤くなりながらそういう蘭。