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俺と彼女のカンケイ

第7章 七話




………。

………。

保健室の戸をじっと眺める。

……帰るか。
馬鹿らしい。何故ここに来ているのだろう。

しかし、そうは思っていても、足が固まって動かない。
………。
ここには来てはいけない。
ダメなのに、俺は戸を開けるため、手を伸ばしてる。
…すると、

「……あら、高木くん…。」

先生の声がして俺は声がしたほうへ振り向く。

「私に会いに来てくれたの?」

嬉しそうにそう言う先生。
そのまま手を引かれ、保健室へ入った。
そして入るなり抱きついてくる。香水のほのかな香りがする。

「…ねえ、聞いてもいい?」

「………。」

「…あれから彼女さん…一ノ瀬さん…とはした?」

俺から離れて悪戯っぽい笑みをこぼす先生。

「……満足、できた?」

…………。
分かってる。俺が満たされないことを。ここに来ている時点で察したんだと思う。
心臓がドクンドクンと音を立ててうるさい…。

「…分かってるわ、高木くん。…私も同じような経験してるから…。」

………。

「…満たされないわよね……。ほっとけないわ。」

「………俺は…。」

「…満たしてあげるわ、高木くん。」

……先生と交わるまえなら、交わらなかったら、耳を傾けなかった、と思う。
でも、先生から目を離せない。

「……キス…して?」

…駄目だ。これから先は…。一度きりと言ったじゃないか。
そんな考えとは裏腹に、俺は先生に触れるだけのキスをした。

先生はまた嬉しそうな表情をする。

「…嬉しい。私を受け入れてくれて。」

勢いよく抱きついてきた先生にバランスを崩しそうになって、俺は先生の背中に腕を回した。


「……ホテル、行く?」

その言葉が今は、魅力的に感じた。

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