第6章 六話
ラブホテルの部屋に入るまでずっと篠田先生は俺の腕に絡みついたままだった。
見られたらどうするのか。
部屋に入るなり手に持つ鞄を離して、下に落ちる音がする。そして俺にぎゅうっと抱きついてきた。
…一度きり……とは言ったけど。
何でそんなこと口走ったのだろう。
先生とだなんて。
…兄と同じじゃないか。
既に彼女以外と関係を持ったから今更だが…。
バレたら一大事だ。そうなったら面倒くさい。
先生は気にしてなさそうだが。というよりも今はきっと考えたくないんだと思う。
先生は俺を見上げて目を瞑る。
メイクが少し崩れて少し残念に見える。
ちゅっと触れるだけのキスをする。先生の唇は少しだけ冷たい。
俺たちはベットへと移動して、先生を押し倒した。
跨って上から先生を見下ろす。
「……高木くん…。」
そういう先生の声は何だか色っぽい。
「……後悔、しないで下さい。」
篠田先生はその問いにこくんと頷いた。
本日2回目のキスをする。
刻むようなキスを続ける。先生は俺の首に腕を回して更に密着した。先生の豊満なバストが布越しにムギュっと潰される感触が伝わる。
次第に触れるだけのキスは濃厚なものになっていく。
ぴちゃぴちゃと淫らな音を鳴らしながらのキスは五分ぐらい続いたと思う。離すと透明な糸が引く。
………。
キスだけでも全然違う。やはり先生はなかなかの経験者だ。
恐らくこの先のことも上手いだろう。
ぼうっと火照った顔が色っぽい。
「……服…脱ぎますか?」
先生は身体を起こして上着を脱いでいく。俺も服を脱いでお互いに下着だけ身につけてる格好に。
先生の肌は色白で綺麗だ。大きい胸だが形は良いと思うし、ウエストも程よくキュッと締まってて足もスラリと長い。
黒色のレースの下着が白い肌に映えて、いやらしい。
魅力的な身体と言えるだろう。
「……着痩せするタイプなのね。」
「…そうですか。」
どちらからともなく顔を近づけてまた口づけに没頭する。
味わうかのようなキスに頭がくらっときた。