Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第8章 ★忠犬リエーフ《灰羽 リエーフ》
バイトを終わり、待たせていたリエーフの元へと駆け寄る。
『ゴメンね、お待たせしました』
「そんなに待ってないよ!」
ニコッと笑うリエーフ。爽やかな笑顔がバイトの疲れを癒してくれる。写真撮ってスマホのホーム画面にでもしておこうかな…
「じゃ、帰りましょうか!」
そう言って歩き出そうとするリエーフのTシャツの裾を、クイと引っ張る。
「海宙さん…?」
『今日、家おいでよ』
「いいんスか!?」
『一人暮らしだし、ずっと一人だとなんか恋しくなるっていうか。それに、言うことなんでも聞いてくれる、でしょ?』
リエーフはッシャ!とガッツポーズをした。
なんて分かりやすい、なんて扱いやすい。
尻尾が見えるよ、リエーフ。左右にブンブンとはち切れそうな程振れる、ふわっふわの尻尾が。
『リエーフはデカいからラブラドールかな』
「何がっスか?」
『ううん、なんでもないよ。それよりも晩ご飯何食べたいとかリクエストある?』
「肉、それから海宙さんも!」
出会った時みたいな反応に、思わず吹いた。
『分かった分かった。じゃあ…』
"イイコにしてたら、デザート…ね?"
耳元で囁けば、真っ赤になる。耳までリンゴみたいになったカレに、苦笑する。
この程度でそれなら、この先もたないよ?
…と、内心でほくそ笑みながら、ね。