Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第8章 ★忠犬リエーフ《灰羽 リエーフ》
それから1週間。今日も部活終わりのバレー部面々が集まった。
『いらっしゃい、あっリエーフ!』
「海宙さん!」
両手を広げて駆け寄ってくるカレ。そんな格好してたら、殴っちゃうよ?お腹。
『はーい、無防備すぎー!』
「ぐほっ…」
Tシャツ1枚のカレの鳩尾に、私のグーが入る。お腹を抱えるリエーフを見て、私はケラケラ笑った。
『あっははは、本当に入っちゃったー。てか大丈夫?ゴメンね、リエーフ』
「だ、ダイジョブっス…」
『ん、お詫びねコレ』
ちゅっとリエーフのほっぺにキス。途端に眩しい笑顔になる。
「海宙さぁん!」
『はいはい、バイト終わったら遊んだげる』
スタスタとカウンターの中に引っ込む私。ハートを振り撒きながら注文するリエーフを見て、鉄朗がぽつりと呟いた。
「スゲェ…見事なまでに餌付けられてる」
それに同調して衛輔と信行も呟く。
「アメとムチだよねあれって」
「肉体への刺激と精神的な喜び、か…」
『そこ3人、出禁にすんぞ?』
スゴい失礼なこと言ってませんか?
「先輩方といえども海宙さんの悪口言ったら許しませんからね!」
『ふふ、リエーフってば忠犬だね~』
「海宙さんの言うことならなんでも聞きますよ、俺!」
「バッカ、そんなこと言ったらお前…」
私は聞き逃さなかった。
リエーフの一言、
"私の言うことならなんでも聞く"
嗚呼、今夜が楽しみだ。
キョトンとするリエーフ。呆れてものも言えない鉄朗。リエーフの今後を心から心配する衛輔と信行。
みんなを見ながら、私は一人上機嫌だった。