Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第8章 ★忠犬リエーフ《灰羽 リエーフ》
ちょうど私も終業だったので、みんなで帰ることになった。隣には鉄朗と灰羽クン。
『ねー、灰羽クンって名前なんていうの?日本人じゃないよね?何㎝あるの?』
「灰羽リエーフ!ロシアのハーフでこの前測ったら190越えてました!」
『わ、おっきい。鉄朗よりも大きいよね』
へぇ、灰羽クンそんなに大きかったんだ。一人で感嘆していると、灰羽クンが突然、あっ!と声をあげた。
「オネーサンの名前、聞いてない!あと今何歳っスか?」
『蒼井海宙、そこの大学に通ってて、今年で20歳』
「4コも年上!?見えない…」
『それ、チビってこと?そうでしょ?』
凄みをきかせると、ふるふると首を振る灰羽クン。面白くて笑えるんだけど。
しばらく話したり、じゃれたりしてると、ふと視線を感じた。振り向くと、鉄朗がすっごいニヤニヤしてた。
「お前ら、なんかもうお似合いだな」
『なっ…///』
「マジっスか!?」
赤くなる私と、喜ぶ灰羽クン。それを見て鉄朗がゲラゲラと笑う。うぅ、やられた…
ちらりと横目で灰羽クンを窺うと、こっちを見詰めてた。しかも、その目が優しい。
そんな目で見ないでよ、
意識しちゃうじゃん…
「海宙さん、やっぱり好きです」
『う、うん…///』
そうストレートに言わないでよ、
ムダにドキドキするじゃん…
「俺と、付き合ってください」
『う、うん…///………あぁっ!?』
しまった、流れでうんって言っちゃった!?
「クロさん、今うんって、言いましたよ!」
『いやっ違う違う違う違う…』
「先輩言った、100%言ったぞ」
待って、まってまってまって…
頭が追い付かないんだけど、つまり…
『灰羽クンと、付き合うの…?』
「よろしくお願いします、海宙さん!」
最悪だ…こんな大型犬、私には手に追えないのに。でも、良いオモチャになるかも…?
ぴょんぴょんと跳び跳ねて喜ぶ灰羽クンに、クロが声を掛けた。
「リエーフ、言ってなかったけど…」
「はい?」
「先輩、ドが付くSだから、頑張れよ」
『んふ、オモチャGET♪』
「………え?」
ふふふと笑みを漏らす私を、灰羽クンは不安気な目で見下ろしていた。
そう。
私は人で遊ぶのが好きなのだ。