Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第6章 友達以上恋人未満《白布 賢二郎》
そっからの帰り道。途中でバラバラに別れ、それぞれの帰路に着く。
俺と海宙は近所なので、時間も時間だし家まで送ってやることにした。これは、中学の時から変わってない。遅くなると、毎回決まって俺が送ってやるのだ。
「じゃあ、朝練の時な」
『うん…』
家の前まで着いたのに、海宙は一行に家に入ろうとしない。送ったわけだし、帰ろうと踵を返すと、ジャージの裾をくんっと引っ張られた。
「どうした?」
『…あのね、賢ちゃん』
どこか震えて、涙混じりにも聞こえる、か細い声。見下ろすと、海宙は下唇を噛み、必死で何かを堪えているようだった。
『もし、ね。もしだよ…』
私が、賢ちゃんのこと…
そこまで言ったところで、海宙は言葉を区切った。その先の言葉が知りたくて、でも聞きたくなくて。
口の中がカラカラに乾いている。背筋をヒヤリとした汗が伝う。ヤバい、緊張する。
なんでだ。別に告白って決まったわけじゃない。そうだ、落ち着け、落ち着け俺!
『賢ちゃん………』
たっぷり10秒は待った。そして、彼女はその唇で、ぽつり、と言葉を紡いだ。
―――ずっと前から、好きだよ…
頭が、パンク寸前だ。俺の脳ミソ、沸騰してるの決定。