Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第6章 友達以上恋人未満《白布 賢二郎》
【白布 side】
ヤバいよ、なんだよ、この空気感。
まるで、俺と海宙が付き合ってますーみたいな感じ。
ちげーよ、ただの幼馴染みだよ。
―――今は、まだ
気まずい空気の中、牛島先輩が呟いた。
「…腹、減ったな」
「お、そーだね。牛丼食ってくか!」
天童先輩の提案により、近くの牛丼屋で晩メシを食べることになった。
…のは良いんだけど。問題は座席。
なんで俺と海宙が隣!?
さっきの今で!?
冗談じゃない…
『け、賢ちゃん何食べるの?』
「今日も疲れてるから、大盛りでいいかな」
『私、チーズのにしよっかな…』
あれもイイナ、こっちもイイナ。彼女はそんなことを言いながら、メニューとにらめっこをしている。結局、最初に言っていたチーズのにしていた。
他愛の無い話をしながらの食事。部の仲間とでは、同級生とはまた違った楽しさがあった。
『あ、賢ちゃんコレ、食べない?私もうお腹いっぱいで…残すの勿体無いし…』
俺がちょうど食い終わる頃、海宙がそんなことを言ってきた。どんぶりを覗くと、3分の1程度残ってる。
「良いのか?」
『うん。食べて食べて!』
まあ私が作ったんじゃないケド…と笑う彼女は、なんだかかわいく見えた。そんなの気のせいだ。牛丼食って腹が満たって、そんで眠くなったからだ。
天童先輩のうわー、間接キスだよ…!という大いなる独り言を無視し、残されたチーズ牛丼を俺はありがたく頂戴した。