Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第6章 友達以上恋人未満《白布 賢二郎》
「さてはお主ら、両想いだな!?」
「『なっ…///!?』」
覚先輩が懲りずに言ってきた。ビシィッと人差し指を突き出してのキメポーズ。ハモって言葉を無くす私たちを、さらに弄る。
「ホラホラァ、反応が一緒だよー」
ニヤニヤする覚先輩。たちが悪い人…
『違います、たまたまです。ね、賢ちゃん』
「おう、たまたまだ」
「そんなこと言ってー、2人とも顔がリンゴみたいに真っ赤ですよー」
『覚先輩ぃ…』
「おい天童、その辺にしとけ。白布にトス上げてもらえなくなるぞ。ついでに、海宙もお前の分だけ何も用意しなくなるかもな」
見かねた英太先輩が口を挟んだ。その効果はバツグンだったようで、覚先輩はしおしおと大人しくなった。
でも、それで困ったことがある。
空気がそんな感じになっちゃったのだ。
五色君はキラキラした目で見詰めてくるし、獅音先輩もほほぉ、とか言ってる。唯一変わらない若利先輩だって、無言で無表情で何も言わないから、むしろ困る。
話題を変えようと、英太先輩が努めて明るい口調で話し掛けた。
「ま、まあ、仲が良いのは悪いことじゃないから、気にすることはないよ、な?」
『…しょっちゅうからかわれてもですか?』
私の一言に、英太先輩が口をつぐんだ。
「と、ところで、2人は最近どこかに出掛けたりしたか?ほら、駅の方とか…」
獅音先輩も話題を振る。今度は賢ちゃんがそれに答えた。
「この前近くの本屋に行きました」
「へぇ、誰と?川西とか?」
「…いえ。海宙です」
「…そう、か」
獅音先輩も言葉を無くした。
この時、バレー部メンバーは思った。
"お前らもう、付き合っちまえよ!"
と。