Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第6章 友達以上恋人未満《白布 賢二郎》
部活が終わったのは、8時近く。そこから居残りをする者もいるが、スタメンの大半が帰ることになった。そこに、私と賢ちゃんもいたけど。
「つーかさー、若利くんは好きなコとかいないの?なんかずっとバレーだよ?」
「必要ない」
覚先輩を一言で斬り捨てる。ああ、もうちょっと構ってあげてよ、若利先輩。じゃないとこっちにきちゃ…来ちゃったじゃん…
一蹴された覚先輩がうねうねしながら、私と賢ちゃんの間に割り込んできた。
「海宙、若利くんツメターイ!」
『ハイハイ、ソーデスカ』
「白布!お前の彼女冷酷だぞ!」
「先輩がうるさくするからです。てか、こいつは彼女と違います!」
珍しく慌てて否定する賢ちゃんに、五色君が首を突っ込む。
「先輩方っ、付き合ってるんですか!」
『ちっちが、そういうんじゃ…///』
どストレートな言い方に、思わず顔が赤くなる。仲が良いから、付き合ってるのか聞かれたことは良くある。
私は賢ちゃんのこと好きかもしれないけど…いや、実際好きなんだけど!でも、賢ちゃんはそんなに素振り見せたこと無いし。
結局は、この距離感が1番良いのだ。
"友達以上、恋人未満"
1番楽しくて、1番楽が出来て。私たちの場合、幼馴染みだから尚更だ。
俯いて、ため息を吐く私。ちょっかいを出そうとする覚先輩を獅音先輩が首根っこを掴まえて、ズルズルと引きずっている。
そんな様子を見ながら、もう1つ深いため息を吐くのだった。