Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第6章 友達以上恋人未満《白布 賢二郎》
【蒼井 side】
良く晴れた6月の午後。白鳥沢学園高校のバレー部面々は、ロードワークに出ていた。
『にしても、今日は一段と遅いな…』
そう思った私は、バレー部専用の体育館で帰ってくるであろう部員の、ドリンクを作っている。
と、コートで練習をしている部員の手から、ボールが飛んだ。ぽーんと飛んで、出口の方へと飛んでいく。
『私、とってきまーす!』
ボールを追って駆け出すと、そこにはロードワークから帰ってきた若利先輩がいた。そして若利先輩から奪うように、見慣れない少年がボールを獲った。
オレンジのチビ君と、黒髪の長身君。2人の背格好は対照的だった。でも、その瞳は闘志にギラギラと燃えていた。
そして、2人は若利先輩に宣戦布告すると、颯爽と帰っていった。
『………なんなんですかね、あの2人』
「烏野の日向翔陽と影山飛雄だ」
『へぇ。若利先輩のペースについてこられただけでもスゴいですケド…?』
「ああ。1年生らしい。インハイでその実力を見ることになるか、それとも…」
若利先輩はその後もブツブツと何かを呟いていた。大きな背中の後をテトテト付いてバレー部専用の体育館に戻った。
若利先輩が一息吐いて、靴紐を結び直している頃、ようやく他の面々が帰ってきた。