Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第1章 マイヒーロー《日向 翔陽》
目を丸くして驚く日向君。これは説明が足りなかったかな。
『えっとね、部活でスポーツしているところの絵を描かなきゃいけないの。それで是非日向君の絵を描きたいなぁ、と…』
日向君はうにうにと唇をミミズみたいにさせた。そして、おずおずと言った。
「その、さ。ももモデルっておれじゃなくて影山の方がいいんじゃ…」
『なんで?』
「認めたくないけど!影山はモテるし…」
語尾に行くにつれて小さくなる声。人差し指をツンツンと合わせてモジモジとする日向君。いつもの元気な日向君とは違った姿に可愛いと思った。
『私は日向君にお願いしてるの。スパイクする日向君を見て、カッコいい!って思ったから。だからお願いします!』
ガバッと頭を下げる。体育館の中で先輩や他の男子がぎょっとしてこっちを見ている。でも、私は日向君の絵が描きたくて必死だった。
「よっし、そこまで言うならやる」
『本当に?ありがとう!』
にっこり笑うと、日向君もニカッと笑った。
「それで、おれは何したらいい?」
『日向君はいつも通りに練習してて。バレーに打ち込む日向君をそのまま描きたいの』
「分かった!」
痺れを切らした影山くんが日向君を叫んで呼んだ。日向君はまたね!と手をぶんぶん振って練習へと戻っていった。
こうして、日向君を描くために第2体育館へと通う毎日が始まった。