Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第35章 ☆お泊まりDay。《孤爪 研磨》
そして夕方。きゅるりと研磨のお腹が鳴り、晩ご飯にしようということになった。
『晩ご飯、なに食べよっか』
「海宙の作ったのなら、なんでも…」
『んー、じゃあ研磨のパパとママが帰ってきても食べれるように、カレー作ろっか』
簡単だしね、と言う研磨に、私も頷く。それから、Wiiの電源を切り、台所に立つ。
『研磨ぁ、ルーってどこにあるの?』
「そこの棚、下のところ」
『分かった。じゃあ野菜とか出して』
「うん」
研磨が冷蔵庫を漁っている間に、入手した辛口のルーの説明を読む。それから研磨がピーラーで皮剥きをして、私がざっくざっく切ることになった。
「海宙」
『ん、なぁに研磨』
「お肉って何にするの」
『どうしよ…研磨は何がいいの?』
「鶏肉かな」
『OK。じゃあサクッと解凍しちゃおう』
レンジで解凍したお肉を一口大に切り、お鍋に全部投入。それから野菜と一緒にじゅーじゅー炒めて、お水を入れて煮込む。最後にルーを溶かす。
「おれ、ルー溶かしたい」
『じゃあこれ入れて』
研磨は茶色い塊を、1つずつお鍋に入れた。溶けたところから少しずつ色が変わり、ふわりといい匂いが漂う。カレーを混ぜる私の横に、お鍋を覗き込む研磨。
『あのさぁ研磨、思ったんだけど』
「なに?」
『なんか、新婚さんみたい…だね?』
目をぱちくりする研磨。自分で言っときながら急に恥ずかしくなる。わぁ、照れる。
『ごめっ、なに言ってんだろう。あはは…』
「おれも、ちょっと思った」
『え…』
「いつか海宙と、こんな風にしたい」
そう言う研磨はちょっと恥ずかしそうで。照れっとする研磨がかわいくて、私はキュン死寸前になった。
さて、無事にできたカレー。温玉もお皿に盛り付けて、付け合わせのサラダを並べたら、晩ご飯の完成。
『「いただきまーす」』
研磨と一緒に愛情を込めて(?)作ったカレーライスは、いつもより何倍も美味しかった。