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Volleyball Boys 《ハイキュー!!》

第34章  迷子の恋心《白布 賢二郎》



そうしてみんなでお勉強。会話ばかりで集中できないかと思ったら、そんなことはなく、不思議と一人でやるよりはかどった。

『よし、そろそろ休憩しよっか?』

「イイネ!若利クンおやつ食べたーい!」

「使用人に言ってくる」

え、使用人!?使用人て、メイドさんとかそういう人のこと!?驚きを隠せない私を他所に、牛島は少し部屋を出て、それからすぐにおばあちゃんと一緒に戻ってきた。

「若利さんのお友達ですか?」

『あー、まぁ、はい。お友達です』

友達、と言える関係なのかと少し迷ったが、おばあちゃんの笑顔を見て、その答えで良かったんだと安心した。おばあちゃんは人数分のジュースとたくさんのお菓子をくれた。

「ゆっくりしていってくださいね」

最後まで笑顔を絶やさず、おばあちゃん退室。そして私は牛島に問うた。

『あのおばあちゃんダレ?』

「長年うちで働いている百合子さんだ」

「若利クン、なんかスゴイネ…」

『ちょっと、天童に同感だわ…』

牛島家、恐るべし。

それからおばあちゃん改め百合子さんの持ってきてくれたお菓子をつまみつつ雑談。もうそろトイレ借りようかな。立ち上がったものの、どこがトイレか分からない。

『あの、牛島』

「なんだ」

『トイレってどこでしょうか…?』

「あ、それなら俺行くわ」

よっ、と立ち上がったのは瀬見。何度も来たことがあると言う瀬見に甘えて、一緒にトイレに行くことに。

「俺ももうそろ行きたかったんだよ」

『そっか~。ってか牛島の家、豪邸なのね』

「すごいよなぁ。広いし迷子んなりそう」

『うちはマンションだからなぁ。そういえば牛嶋の部屋は片付きすぎだけど、瀬見の部屋とかもきれいそうだね。マメに掃除しそう』

「まぁな~。今度来るか?」

『え、いいの?』

「おう」

どうしよう、なんか嬉しいや。じゃあ約束ね?と笑いうと、瀬見も笑った。そうして廊下を何度も曲がり、トイレに到着。交代に使って帰り道、前を歩いていると後ろから瀬見に呼び止められた。

「蒼井」

『なぁに?』

「話があんだけどさ…」

話って勉強のかな?そう思って振り返ると、どんな時よりも真剣な瀬見がいた。

「俺と…付き合ってほしい」

驚きと嬉しさで、文字通り、心臓が、息が、止まるかと思った。


   
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