Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第3章 高嶺の花だとしても《岩泉 一》
翌日の放課後。4人で着替えながら、部室で及川が叫んだ。
「ミッション、連絡先の入手!」
及川いわく、Lineでもメアドでも電話番号でも何でも良いから、連絡先を手に入れろ、だそうだ。
んなこと言ったって、クラスも違うのにどうするんだよ…体育館に向かいながらそう思ってると、及川が数人のマネージャーたちに声を掛けた。
「ねーねー、及川さんとLine交換しない?」
キャーと黄色い声を上げて、女子ははしゃぐ。及川のアドレスなら欲しがるな。
「岩ちゃんもおいでよー!」
「何してんだよ、部活だろ!」
「良いから~!」
何だよ、最後の"~"は。気持ちわりぃ…
良くわかんねぇけど、流れで俺もLineを交換することになった。
『あの、岩泉君…』
「おう、蒼井?」
『私のも、その、登録良いかな…』
おずおずと言ってきたのは蒼井。
ッシャアァァァ!!!
内心ガッツポーズしつつ、平静を装って交換。今回ばかりは、及川に感謝だ。
『ありがとう、岩泉君』
「おう」
及川を見遣ると、ウィンクしてた。いや、うへペロ☆の方か…何となくだが腹が立ったので、蹴っ飛ばす。
俺が及川を罵倒する様子を、蒼井は楽しそうに笑って見ていた。
『いっつも楽しそうだね』
「そうか?」
こいつの笑った顔、かわいいな。素直にそう思った。連絡先が貰えたことは距離が近付いた、と思っていいのか?
まあ、そういうことにしておこう。