Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第3章 高嶺の花だとしても《岩泉 一》
その日の帰り。よくわかんねぇけど、3年生4人で全国チェーンのハンバーガー屋に寄り道。180近い男が頭を突き合わせる、というのもだいぶむさ苦しい。
「それでは岩ちゃん!」
「あ?」
「"海宙ちゃんのハート手に入れちゃおう☆"作戦、どうする!?」
「何だよ、そのネーミングセンス…」
「岩泉に共感」
「花巻に共感」
ヒドい。ヒドすぎるだろ。
「好きなんでしょ、ならコクれば!?」
「お前を見てるとその気は失せるが…」
及川が名案、とばかりに言う。即行で却下。むしろ、あんだけ見事にフラれるのもどうかと思うが。
「それとなくアピールすんのは?」
松川が言った。
「高い所の荷物とってあげるとか?」
「んなこと言ったって、お前らと違って、俺そんなデカくねーぞ?」
「蒼井からしたら、180近いお前は十分にデカいと思うぞ」
なるほど、そうか。
「とりあえず、明日から及川さんが協力してあげるからねん☆」
「いや、むしろ遠慮したい」
無駄にはりきる及川。遠足を前にしたガキか。
「ま、俺らも何となくやるわ」
「おう、頼んだ…なのか?」
花巻と松川も、何だかんだでやる気のようだ。若干の不安を残しつつ、俺は家へと帰った。…隣に岩ちゃん岩ちゃんうるさいのがいたが。