Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第2章 ☆俺にくださいッ!《西谷 夕》
私の前には正座している夕。
「ご、ごめん…」
『さっき見たこと、全部忘れて?』
「それは、ちょっと…///」
『忘れてっ!///』
着替えてリビングに戻ったら、夕が即行で土下座してきた。しかもスライディング土下座。どこで習ってきたんだ、どこで。
いつも体育館でフライングレシーブの練習してるからか、ズザーッと綺麗だった。
…で、そっから正座させてお説教。
勿論、服は着た後だよ?夕はジャージの短パンに猪突猛進と書かれたTシャツを着ている。どこで売ってるのさ、そのTシャツ…
私はホットパンツに黒のTシャツ。一応、ブラは着けといた。寝る前に外せばいっかな。
「まさか、あがってると思わなくて…」
『ノックくらいしなさいよ』
「その節は、本当にすいませんっした!」
ガバァッと頭を下げる。頭が床に付きそうなくらい、下げる。なんかもう、いいや。
膝歩きして、夕の近くに行く。へにょっとした頭をよしよしと撫でる。
『夕、分かったから、もういいよ』
「本当かっ!?ありがとーっ!」
『えっ、ちょ、わあっ!?』
顔を上げた夕が飛び付いてきた。小柄とはいえ、さすが男子。力も強いし、勢い余って2人一緒に後ろにぶっ倒れた。
「わ、悪い、痛いところねーか?」
痛いところは、無い。でも夕の顔が近くてドキッとした。ってかこの体勢!夕が私の上に乗ってるんですけど…
『う、ん…あの、よけてくれるかな///』
「おう、今よける…って、うお!」
『きゃっ!?』
足がもつれた夕が、起きようとしてまた倒れてくる。衝撃に備えて目を瞑った。夕の両手がバンッと顔の横に突かれる。
そして―――
ぷちゅっ
私の唇に、あったかくて、柔らかいものが触れた。