Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第2章 ☆俺にくださいッ!《西谷 夕》
それから1ヶ月半。仕事にもだいぶ馴れ、東京に合宿にも行った。どの高校も強く、全くと言っていいほど歯が立たなかった。
「もっと強くならなきゃな…」
『そうだね。全国、行くんだもんね』
「ッたりめーだ!」
にかっと夕と笑った。あれはたしか、帰りのバスの中だった。
え、今?夕の家にいるけど?
なんでかって?話は数時間前に遡る…
* * * * * * * * *
『ちょっとお母さんそんなの聞いてない!』
【当たり前よぉ、今いったもの~】
電話越しにお母さんがケラケラ笑った。
『なんで夕の家にお泊まりなの!?』
【お母さんたち旅行なの】
『なんで今!?』
【言い忘れちゃったぁ~】
えへっと笑うお母さん。年齢詐欺師だろ…
【そうそう、夕君には伝えてあるから。2日間頑張ってね~】
『えっ、ちょ、お母さん!?』
【ちゃっちゃと夕君のハート、ゲットしちゃいなさいよね~。じゃ、楽しんでね~♪】
ブツッ ツー ツー ツー
いやいや、楽しんでね~♪じゃないよ!
思春期の男女だよ!?
いくら幼馴染みとはいえ、それは…
お母さん、気い遣ってくれたのかな。
こうなった以上は腹を括ろう!
2日間で夕とくっついてみせる!
…そして、現在に至るわけです。