Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第2章 ☆俺にくださいッ!《西谷 夕》
マネージャーになった翌日。部活の合間の休憩時間、縁下先輩と田中先輩と話していた。
夕はというと、1年生たちとふざけてじゃれあってる。月島君と比べると、悲しいかな、どっちが年上だかよく分からない…
私は小さい頃の話をした。遊んでいた時に、よくお菓子の取り合いをしたり。ゲームで通信しても、勝つまでやり続けたり。夕は何でも自分が勝たなきゃ気の済まない子だった。
「へぇ、そんなことあったのか!」
「まあ西谷ならやりそうだけどな…」
『そうなんですよ!』
田中先輩は純粋に驚いていたけど、縁下先輩はアイツならやっててもおかしくないな、と苦笑いした。
田中先輩にはお姉さんがいるらしく、縁下先輩いわく、"カッコいい"そうだ。夕は親しみを込めて、"冴子姐さん"と呼ぶらしい。
『ふふ、夕らしいね』
思わずクスリと笑みをこぼすと、縁下先輩も笑って言った。
「蒼井は西谷のことが好きなんだな」
『ふぇっ!?///』
思ってもみないことを言われて、声が裏返ってしまった。なんでバレたの!?縁下先輩は頭をがしがしと掻きながら言った。
「西谷のことを話してる時の表情。好きで好きでたまらないって顔してるからな」
『うっわぁ~。私ってそんなに分かりやすいですかね…』
「俺でも分かったくらいだからな!」
田中先輩が胸を張って言った。それってどういう意味なんだろ…
そんなわけで、2年生の2人にバレてしまった。2人とも協力してくれるとのことだったので、何かあったらお願いしよう。
その日から、私は縁下先輩や田中先輩と一緒に帰ることが多くなった。
そんな時、たいてい後ろから視線を感じるんだけど、何なのかは分からなかった。