Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第2章 ☆俺にくださいッ!《西谷 夕》
私と問答を繰り広げていたのは一応先輩。烏野高校2年3組の西谷夕。
男子高校生とは思えない160に満たない短躯の夕は、よく小学生に間違えられる。
夕と私はいわゆる幼馴染みというやつだ。
家が隣同士で、昔から親が仲良しだった。小さい頃には、お互いの家に泊まったりもした。
『コレ、どうすんのよ…』
手の中の入部届けを睨み付ける。誰がマネージャーをやると言ったんだ、だ・れ・が!?
夕は昔から決めると一直線だった。自分のやりたいことに突き進み、中学ではそれがバレーだった。
最初は、自分の背が小さいことを気にしていた。元々バレーは身長が勝敗を左右するところもあったりする。
ポジションは"リベロ"。比較的身長の低い選手が多いポジション。レシーブに特化したポジションで、もっぱらボール拾いだった。
でも夕は諦めなかった。誰よりも練習して練習して練習して。朝から晩までバレーバレーバレー。
そしてついに中総体でベストリベロ賞までとってしまったのだ。
"俺は背が高くてもリベロをやる!"
って言ってたこともある。誇り高く、またそれでいて実力もある。
カッコいい反面、こんな一面もあった。
"なんで烏野に進学したの?"
"制服がカッコよくて、家から近い!"
ってなこともあった。単細胞なのか直情型なのか、時々思う。
そして私は、そんなアイツに恋をしている。