Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第10章 ★アナタとワタシ《影山 飛雄》
Epilogue:日曜日に
【蒼井 side】
おかえりなさい、と言うと、飛雄は満足そうに笑った。屈託の無いその笑顔の裏に何が潜んでいるのか。考えるだけでも恐ろしい。
昨日の飛雄はヘンだった。それでも、きっと話せば分かってくれる。
『あのね、飛雄…』
「今日は、部活が入ったんだ。海宙はカゼをひいて休みってことにしといた」
『う、うん…』
飛雄が私に手を伸ばし、クイとそのあごを持ち上げた。そして耳に口を寄せ、呟いた。
「でも、この後は予定がないから…」
いっぱい愛してやるよ―――
ゾッとする程低い声は、鳥肌が立つような冷たさを含んでいて。
それは、彼から逃げられないということを暗に示していたのだった。
飛雄は私の手首の枷を外すと、そっと抱えてベッドに下ろした。それからゆっくりと服を脱がしていく。
産まれたままの姿にされたところで、たまらず声を掛けた。心の中は、羞恥と恐怖とが入り交じってぐちゃぐちゃだ。
『と、びお…///』
「大丈夫だ、怖くないから」
違う、
違うのよ、飛雄。
行為をすることが怖いんじゃないの。
狂気を孕んだその、
貴方の瞳が、
とてつもなく恐ろしいの―――