Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第10章 ★アナタとワタシ《影山 飛雄》
Scene1:ある日の学校
【影山 side】
朝練から弾け、疲れきった俺は、3,4限目の授業を丸々爆睡した。なんで分かるかっていうと、今が昼休み。最後の記憶が3限目の科学の教師。イコール、それは寝てたってことだ。
覚醒しきってない頭に、パタパタと誰かの駆け寄ってくる足音。ついで後ろか飛び付かれ、首に腕を回される。
『飛雄ノートとってないでしょー、てゆーかもうお昼だよ?食べよ!』
「海宙、く、首、絞まる…」
『えっ、わぁ、ゴメン!』
慌てて離れたソイツ――蒼井海宙――はすまなそうな顔をした。でも、すぐにいつもの笑顔に戻り、手に持っている弁当箱を軽く持ち上げて言った。
『屋上行って食べよ?』
俺は肯定の代わりに、自分のサイフとスマホを持って海宙の手を引いた。それから1度坂ノ下商店まで行ってパンを買い、それから屋上に向かった。
『わー、すーずしー!』
くるくると回りながら、彼女が笑う。フワリと舞うスカートからは、色白の太股か挑発するかのようにチラリと覗く。
1つだけ置かれたベンチに座り、俺はパンにかぶり付いた。海宙は律儀にいただきますと挨拶をした。
両の手を合わせ、目を閉じて自らの為に犠牲になった生命に祈る。そんなところが、俺はきっと好きなんだろう。