Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第9章 Are you ready?《黒尾 鉄朗》
そのあと、本当に泊まることになっちゃったクロくん。付き合ってもいないのにどうかと思うけど、ママがクロくんを帰さなかった。
シャワーを交代で浴びることになったので、私が先に入り、部屋に戻ると11時。私は眠くてすっかりウトウトしていた。今はクロくんがシャワー中。
『はぁ、どうしよう…』
ママが用意した布団に、ごろりと転がる。頭をよぎるのは、クロくんのことばっかりだ。
恋とか愛とか、良く分からない。アメリカにいたときは、女子も男子も仲良しで。トクベツな人なんていなかった。
思えば、クロくんには初めて見たときから惹かれる何かがあった。クロくんが笑うと、胸の奥がきゅうってなるようで。心なしか心拍数も上がってる気がして。
『Is this love…?(これが恋なの…?)』
一人きりの呟きは宙に吸い込まれて行く。出会って間もないのに、好きになるとか。そんな少女マンガみたいなこと、あるわけ、あるわけ、ない…そうして私は、心地好い眠りへと落ちていった。
―*―*―*―*―*―*―*―*―*―
…い、……きろ…
ん、誰かに呼ばれてるような…?
「おーい、俺が寝れないぞー」
『Oh…What's up…?(もう…何よぅ…?)』
重たい瞼を開くと、視界いっぱいにクロくんが。
『わっ!?』
「ったく、寝るならベッドで寝とけ。布団も掛けねーで、カゼひくぞ?」
呆れたように言うクロくん。シャワーから戻ってきたばかりのようで、少し濡れた髪とタオルを首に掛けている。
『誰かと思ったわ…髪型が違うから…』
「あー、フロ上がりはよく言われる」
首に手を当て、そんなに変わってっかな…と呟くクロくん。それすらカッコ良く見えて、胸の奥がきゅうってなって。
『I love you…』
するり、と。
口から言葉が、こぼれていた。