Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第9章 Are you ready?《黒尾 鉄朗》
【蒼井 side】
『ブッ!』
「ブフォッ!?」
クロくんも私も同時に吹き出す。
『ちょっ、ママ!?何言ってんの!?』
机に手を突いて立ち上がると、ママはキョトンとして言った。
「えぇ、だって家に連れてきたってことはそういうことなんじゃないのぉ?」
『違う、誤解、誤解だってば!』
「お、落ち着けって…」
手を顔の前でぶんぶん振ると、ママは困ったように笑った。そして、近くにあったスマホの画面を私に見せた。
「ゴメンねぇ、パパに報告しちゃった♪」
パパとママのやり取りは、こんなの。
"海宙が男の子連れてきたわ!
ついに boyfriend ができたのね!"
"そうか、良かったな!
ちゃんと大事にしてくれそうなのか?"
"Sure!"
"じゃ、よろしく言っといてくれ"
boyfriend=彼氏…
sure=もちろん…
『ママ…』
机にぐったり倒れる。これじゃあクロくんが彼氏になっちゃってるじゃん…しかもなんか知らないけどパパ公認になってるよ…
「え、あの、俺…」
『ほら、クロくん困ってるじゃん!』
「ま、あとは若いのお2人でやりなさいな。海宙の部屋にお布団敷いといたから」
『はぁっ!?』
「いや、あの…」
狼狽える私とクロくんの背中を押し、ごゆっくり♪と言うと、ママは私の部屋に2人を押し込んでドアを閉めた。
げ、本当に布団敷いてあるし。しかも、すんごい気まずいんですけど…
それよりも、今2人っきりじゃん!?
どうしよう、無駄に意識しちゃう…
『ええと、あの…ゴメン///』
赤くなりながら言うと、クロくんは苦笑いしながら言った。
「なんつーか、元気な母さんだな」
良かった、気は悪くしてないみたい。そのことにとりあえずホッとした。