Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第9章 Are you ready?《黒尾 鉄朗》
帰り道、歓迎会なんかも兼ねて、近くのファミレスに寄ることになった。激安なのに美味しいここは学生のお財布の味方だ。
クロくん、やっくんに海くん、山本くんに孤爪くんに福永くん、灰羽くんに芝山くんに犬岡くん、それから私。総勢10人の大人数、テーブルを3つも繋げることになった。
クロくんはハンバーグの大盛り、灰羽くんも3人前くらい頼んでいる。やっくんと海くんは控えめだけど、それでも多い。
『そんなに食べるの!?私なんて、このパスタくらいしか入んないよ…』
「俺ら、動いたばっかりだしな」
もっと食うこともあるぜ?というクロくんに、目を白黒させた私。みんなの食欲に驚きつつ、キノコとベーコンの和風パスタというものを頼んだ。和風に惹かれる私、単純だね。
注文からが速いのもここの特徴。10分と待たずに次々と食事が運ばれてくる。みんなの分が揃うまで待とう、とやっくん。目の前でよだれを垂らす灰羽くんが気になるんだけど…
「先輩…俺、もう待てないっス!」
「ったく、しゃーねーな…おら、来てるやつから食っちまえ!」
クロくんが投げやりに言うと、うぇーい!と盛り上がるみんな。灰羽くんは鶏の唐揚げにがぶりとかぶり付く。他のみんなもむっしゃむっしゃと食べ出す。
でね、ペースが速いの。一口が大きいの。
あっという間に平らげられる料理。私はと言うと、半分食べたら満足しちゃって。どうしようか悩んでると、隣のクロくんが肩を叩いた。
「お前、それ食わねえの?」
『あー、うん。お腹いっぱいで…』
「あ、そ。じゃ、俺もらうな」
『へ、あっちょ…』
私の制止も聞かずに、クロくんはお皿をヒョイと取り上げた。そして、フォークでくるくる巻いて、ペロリと食べてしまった。
それを見た灰羽くんが、ひゅーひゅー!と囃し立てる。
「先輩たち、間接キスじゃないっスか!」
「っるせ、リエーフ!」
『なっ…///』
そんなこと、アメリカでは言われたことないのに。どう反応していいか分かんないよ。
何も言えず、オロオロ、というかきょどっていると、やっくんがメニューを見せてくれた。
「ほら、パフェとか頼めば?せっかくの蒼井の歓迎会なんだし」
『あ、うん。そうするね』
結局、甘いのは別腹だよね。それからイチゴパフェを頼み、あまぁい気分を味わった。