Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第9章 Are you ready?《黒尾 鉄朗》
それから2週間もすれば、彼女はすっかりクラスに打ち解けていた。明るい性格もあって、すぐに友達ができていた。気配り上手で気の利く彼女は、瞬く間に人気者になった。
そんな中で、俺や夜久といることもけっこうあった。席が近い、のが1番の理由だな。
昼休み、3人で弁当を食べていると、そういえば~と蒼井が切り出した。
『2人はバレー部なんだよね?』
「おう。それがどうかしたか?」
『今度、見学に行っても良いかな?』
カワイらしく小首を傾げてみせる。そんな動作でさえ一々キュートなのは何故だ。
「いいけど、マネージャーやりたいとか?」
そう訊き返すと、恥ずかしそうにはにかみながら言った。
『向こうではバレー得意だったんだ。でも怪我しちゃってからあんまり激しく動けないの。だからせめて…と思って』
「そっか…なら、今日の放課後とかは?」
夜久が提案すると、彼女はありがとうと微笑んだ。
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ついに放課後。ジャージに着替えてもらって、体育館に移動。
『ゴメンね、学校指定のジャージがまだ貰えてないから、自分のやつなんだけど…』
「そーゆーの、ぜーんぜんオッケーだから」
気にすんなよ、と言うと、良かった、とホッとしたように呟いた。