Volleyball Boys 《ハイキュー!!》
第9章 Are you ready?《黒尾 鉄朗》
ハイッ!と手を挙げたのは、クラスでもリーダー的存在のヤツ。
「どうしてアメリカから来たの?それと、日本語すごい上手だよね、練習した?」
その質問に、彼女はクスリと笑った。初めて見る笑顔だったけど、愛らしい笑顔に俺は惹き込まれた。
『ママがアメリカ人でパパが日本人なの。パパが日本に転勤になったから来ました。日本語を話せるのは、外では英語、家では日本語を使ってたから』
スラスラと出てきた解答にへぇーと思った。母親が外人か。英語も上手いんだろうな。
「黒尾はなんか質問しないのか?」
後ろの夜久に言われたので、なんとなく手を挙げてみた。
「しつもーん!向こうではスポーツとか、なんかやってたりするの?」
すると、彼女は少し考えた素振りを見せた後、話し出した。
『基本的にイロイロやったよ。中でもバレーとバスケは楽しかったなぁ!』
バレーが好き、か。なかなかの好感触。
それから、時間いっぱい質問したり、日本とアメリカの違いとかを色々話した。
彼女の座席は、空いていたので夜久の隣になった。
『えっと、黒尾くんと夜久くん?これからよろしくね!』
「うぇーい、よろしくな」
「俺も、よろしく!」
退屈だった日常が、少しだけ楽しくなるような、明るくなるような。そんな気配を見せていた。