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【歌い手】兄は歌い手でした

第2章 キッカケ


「いっただきまーす!」

乃愛は早速お菓子に手を伸ばす。

「縷伊ちゃんも食べな。」
「はい、いただきます」

「麗兄、なんか飲むものある?」
「あぁ、あるよ。何飲む?えとね、確か…麦茶、ウーロン茶、緑茶…」
「なんでお茶しかないの…」

うちの冷蔵庫大丈夫か?めったに見ないけど実はお茶で溢れかえってる、なんてことはないよね。

「え、じゃあ、全員コーラでいいね?」
「いいよね、」
「うん、全然OK!」
「いいよ」

「じゃあ、コーラで。」

よかった、ちゃんとジュースも入ってたみたい。


しばらくして、麗兄は3人分のコップを持ってきた。

「うん、じゃあ、ちょっと待っててね。」
「え、う、うん…?」
「ま、まさか、麗ちゃん。」
「えっ、なんだよ?」

乃愛がお兄ちゃんを呼びとめて自分の方に引っ張った。

そして、こそこそ何かを話始めた。

「バラすつもり?」
「ん~、別にいいんじゃない?隠す必要なんてないんだから。」
「いや、口出しするつもりなかったんだけど…美桜も…」
「うん、やらせるつもり。なに、乃愛もやりたい?」
「あ、いや…考える。」
「了解」


「のあー?」
「あ、はーい!」
「お兄ちゃんと何話してたの?」
「んーん、なんでもない。それよりほら、お菓子食べよ!」

話を逸らされた気がするが後々わかるような気がした。

それに…あまり気にすることでもないような気がした。
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