第1章 はじまり
「そうか、お前、とっつぁんに連れて来させられたんだったな」
「そ、そうです‼」
いきなり話しかけられたは、驚きつつも答えた。
「で、どういう関係なんだ?とっつぁんと」
その質問には首を傾げながら
「うーん・・・松平は・・・部下?ですかね?」
「はぁ?!」
土方の声にビクリと肩を震わせると、慌てて顔の前で手を振り言葉を探し始めた。
「いやあの、部下と言うかなんと言うか・・・‼
顔馴染み?だとちょっと違うし・・・なんか、あの・・・!
あ、ガードマン⁉的な⁉」
「?」
余計分からなくなったと言う様な顔の土方には、黙り込んでしまった。
どれくらい時間が経っただろう。
には分からなかった。
ただ、話さなくては‼と思い、内容を整理していた事は確かだ。
えーと、あれ話してこれ話して・・・アレもコレもアッチもコッチもあとはソレとアレと・・・
の脳がフリーズ寸前の所で、土方は口を開いた。
「明日でいい。それまでに纏めてこい。
明日になったら、近藤さんと俺に話してもらう」
「え・・・?」
「しっかり考えておけよ」
土方は呆然とするの頭をクシャリと撫でた後、おやすみと言い残して自分の部屋に戻って行った。
「え・・・?!」
が声を発したのは、それからたっぷり5分経った後の事だった。