第3章 昨日はクラスメイト
だって、リョーマくんのファン怖そうだもん。
負けないように自信持てたら、言えるけど、メガネちゃんのままじゃ多分誰も納得しないだろうし。
ああ、あの子が彼女なら勝ち目ないね。そう思われたい。
『覚悟』
クエスチョンマークもない返事に答える。
『私負けず嫌いだから、他の女の子に負けないっていう、自信を身に付けたいの』
『オレも、負けず嫌いだよ』
思わずクスリと笑うと、なんとなく元気が出た。
似てるんだね、私たち。
入学式にどうしても並んで写真を撮りたいと拗ねたお母さんに感謝だ。
「そのにやにや具合、やっぱり彼氏?」
友達の声に我に返る。
「うーん、微妙。ちゃんとしたら、話すから」
「わかった!」
友達までにやついている。
彼女は私が綺麗になっても、友達でいてくれるだろうか。
眼鏡を外すことを考えるようになってから、そんなことばかり思ってしまう。
嫌いだった自分の顔も、たった2日で悪くないと思えるようになったのは、リョーマくんを好きになれたからだ。