第17章 perception
「うん…今夜行っても良い?」
「え?今?近くに?」
「うん。じゃあ…待ってます。」
スマホの画面をタップして電話を切る。
ふぅーっと大きく息を吐き、バックを肩に掛け直す。
「あやめさん…あの…」
背後から声を掛けられる。
いつもなら会いたい人。
でも今日は……
「ノブくん…お疲れさま。」
視線も合わせられない。
「あの…さっきの……」
「さっき?」
「えっと。だから…そのっ…」
あー。
あのコの事…
「あ。ノブくんの好きなコって、あのコなのね?」
愛想笑いを浮かべてみる。
ちゃんと出来てるかな?
「違います!」
突然の大声に驚く。
「そんなウソ付かなくて良いよ…」
視線を落とし、鼻で笑う。
「ウソじゃないです!」
両肩を掴まれる。
「僕が好きなのは」
~♪♪♪