第17章 perception
「お疲れさまでした。」
続々とブースを出て行くキャスト達。
廊下を歩くあやめを見つけ声を掛ける。
「お疲れー。」
「あ。お疲れさま。」
「この前は、キラフェスありがとうな。」
「いえいえ。こちらこそ。」
「楽屋に来れば良かったのに。」
「うーん。開演前は、お邪魔だろうし…」
「仕事で最後までいられなかったし。」
「皆、会いたがってたぞ?もちろん俺も。」
ニカッと笑って、顔を覗き込む。
「ありがとう。」
「徹也。王子さまみたいだったよ?」
「へ?」
「女装には、驚いたけど。徹也は何やっても似合っちゃうのね?」
「楽しんで貰えた様で何より。」
「素敵な時間をありがとう。」
「こちらこそ。」
「ね?話変わるんだけど」
「いつも思ってた事なんだけどさ…」
「何だよ?」
「徹也って、ブースでいつも座って何見てるの?」
「『ケツ』」
「は!?」
「仕方ねーだろ!目の前にケツしかねーんだから。」
「変態…」
「うわー。ひでーな。」
「変態呼ばわりついでに教えてやるよ。」
「何よ…」
「あやめは、良いケツしてる。」
「あなたね…『王子』って言われてるんだから…」
「絶対に他で言わない方が良いよ。」
「え?この前、ラジオで言っちゃったけど。」
「まぁ、問題無いねー♪」