第45章 heat(裏)
「自由。」
うな垂れる自由の手に触れる。
その手を握りしめる。
「自由。私は、ここに居るよ。」
「消えたりなんてしない。」
「自由?私は、貴方に触れて欲しい。」
触れていた自由の両手を自分の両頬に添える。
目を伏せて、掌にキスをする。
「私は貴方が好き。」
自由の頬に手を触れて、唇を寄せる。
触れた唇は乾いている。
「自由…好きよ。」
もう一度、自分の唇を舌で濡らし再び触れる。
今まで愛してくれた分、今度は私が貴方を愛すの。
貴方の不安も他のどんな感情も全て私が受け入れるから。