第45章 heat(裏)
「触れるのが怖い…。」
俺と向き合い、ベッドにペタンと座るあやめちゃん。
ベッドサイドの暗めの照明。
あやめちゃんの体に映し出される俺の影。
影ならこんなに簡単に触れられるのに…。
「今まで沢山触れてきたのに…」
「怖いんだ。」
「触れたら消えてしまいそうで…。」
「俺の手で壊してしまいそうで……。」
いつの間にこんなに臆病になったんだろう。
触れるのが好きだった。
触れられるのが好きだった。
キミの体温を感じるのが好きだったんだ。
でも今は…怖い。
両手をベッドに付けて、うな垂れる。
「あやめちゃんが好き過ぎて、どうしたら良いのか分からない。」
「情けない…本当に。」