第42章 lighten
「あやめちゃん。」
「自由。おはよう。」
久々に会った自由は、少し痩せたみたい。
「調子悪い?大丈夫?」
「うん。大丈夫だよ。あやめちゃんは?」
「元気だよ。ありがとう。」
笑って見せても、自由と視線が合わない。
「自由…?」
「えっと…もう行かなきゃ。またね。」
手を伸ばしても、自由の背中には触れられない。
これじゃ何も変わらないじゃない。
一歩踏み出すって決めたの。
「自由!」
「一緒に…買い物行ってくれない?」
「え?」
「鍵に付けるキーホルダー…新しくしようと思って…」
驚いた顔を見せる自由。
でもすぐに満面の笑みを浮かべて、大きく手を振る。
「良いよ。一緒に行こう。」
「約束だよ。」