第4章 reading
打ち上げが始まり1時間が過ぎた。
「今回は、キャスト陣も演奏陣もスタッフも全員良い意味で和気あいあいだったよね。」
「明日からバラバラになっちゃうのが寂しいですよね。」
「また集まりたい!」
そんな会話が色んな所から聞こえる。
「あやめ?大丈夫か?」
「あ!中村さん!」
「あやめさん飲みすぎなんですよ…」
隣にいた翔太くんが、心配そうに顔を覗き込む。
「飲みすぎて無いよ?まだ2杯しか飲んでないし~。」
手に持ったグラスに注がれたスパークリングワインを少し上げる。
「いやいや。少なくとも5杯は、いってますよ。」
「えー。さすがにそこまでは(笑)」
座っていたソファから、立ち上がり中村さんに近づこうと一歩踏み出すものの…
くらぁ~っと視界が歪む。
「おっと!」
支えられた体は言うことを聞かずに、中村さんの体にもたれる。
「わっ…!」
意識は比較的しっかりしてるものの、足元がフラフラしてるのを感じ自分でも飲みすぎた…と実感する。
「本当に…すみません…。」