第4章 reading
無事に4公演が終わった。
私を含め、四人全員が集まる時間は少なかったものの沢山の拍手と歓声の中で千秋楽を迎えることができた。
「お疲れさまでした!」
「本当に楽しかったね。」
「またやりたい!!」
「うん。またやろう。」
そんな言葉がキャストだけではなく、スタッフからも聞こえた。
本当に嬉しい。
出たかった舞台に立てた。
本当に胸がいっぱいで、自然と涙が溢れる。
「あやめさん!何で泣くんですかー。」
「翔太くんだって泣いてるでしょうよ。」
私は翔太くんと抱き合って、ワンワン泣いた。
横からは、温かいまなざしで見守ってくれる井上さん。
少し瞳を潤ませながら、わざと顔を背ける中村さん。
本当にこの朗読劇に、この人たちと立てて良かった。
同じ時間を共有出来て良かった。
『ありがとう』以外の感謝の言葉が見つからない自分がもどかしく感じる。
また、この舞台に戻れるように…
これからも頑張ろう。