第19章 stole
「みなさん。ご機嫌いかがですか?」
「月島あやめです。」
「さて。今週も始まりました。」
毎週配信されているネットラジオ。
レギュラーとして、初めて持った番組。
いつもたわいない話をする。
「えーっと。最近は暑いですよね。」
「でも、建物の中はキンキンに冷えてて…」
「服装とか悩んじゃいますよね。」
「因みに、今日の私の服装は…」
「白の半袖シャツにボタニカル柄のロングスカート」
「ベージュのサンダルでございます。」
「あ。あと首にカーキのストールを巻いてますね。」
「ん?色味合ってない?」
「うーん。でも、これ。さっき某声優さんに巻かれたので(笑)」
「寒そうだったんですかね?グルグルされました。」
「いやー。有難いですよね。友人の事は大切にしないといけませんね。」
「そして、人を気に掛けられる人間になりたいなって思いました。」
「さて。早速ですが、メールに行きましょうかね?」
収録が終わりブースを出る。
「ありがとうございました!」
「また来週もよろしくお願いします。」
時計を眺めると22時。
「今日は、これで終わりだし。」
「帰ろう~。」
独り言を呟きながら、廊下を進む。
「おう。あやめ。また会ったな。」
「あ。タツ!お疲れさま。」
「この後、暇?」
「うん。」
「メシ食いに行かねぇ?」
「うーん。良いよ。」
「今日は何で来た?」
「タクシー。」
「んじゃ、俺の車で行くか?」
「よろしくお願いしま~す♪」
久々にタツとのお食事。
タツは、いつも一歩も二歩も先を見越して行動してる。
話を聞く度、良い刺激を与えられ、もっと頑張らなきゃ!って思う。
今日は、どんな話が聞けるかな。
すごく楽しみ。