第6章 ハジメテ
「っふぁっ!」
突然誰かに口を塞がれる。
驚きのあまり相手をドンっと引き離してしまった。
「はぁ…はぁ…だれっ?」
お「俺!ビックなカリスマプリンス!おそ松でーす!」
「お、おそ松くん?どうしたの?パーティーは?」
お「んなもん行かないよ〜。だって〇〇といた方が楽しいもんねぇ」
そういって彼は私の頬にスリスリと頬を寄せた。
「……私…じゃ…満足させられないよ…」
お「………なんで?」
「だって…他のメイドさんたちみたいに可愛くもないし、きまり悪いし……」
お「…そっか。じゃあ、今日はやめとく?」
こくり、と頷く。
目が慣れてきて、月の光がおそ松くんの顔を照らした。
なんとも言えない、憂いを帯びた驚きの表情がそこにはあった。