第17章 大切なもの
『図書室で騒ぐな。』
『笑うな、バカ///』
『僕の気持ちも知らないで』
『僕は実音のことが好きなんだ』
こんなに
こんなに
千陽先輩の声が聞こえてくる。
駄目だよ。やっぱり。
千陽先輩のことが忘れられなかった。
今私が好きなのは
千陽くんでもない。
他の誰でもない
「千陽先輩が好きなんです…」
やっと、やっと気づいたのに、もう、遅い…
千陽先輩を私の勝手で突き放して、勝手に自分が傷ついて…
バカだ。
私。
でも、どうせなら伝えたい。
伝えたい。
振られてもいい。
伝えるだけでいいから、
私は、伝えます。
千陽先輩。