第91章 はめ込まれたパズルのピース
「でも、無責任に主を辞めることなんて出来ない。私は、死ぬまでここで皆さんと戦う、罪滅ぼしとして、だから、許してください。皆を信用してないと捉えられる行為をしてしまい、皆さんを裏切るようなことをしてしまい、申し訳ございませんでした。許してください」
私は一段高くなっているところから降りて土下座した
「っ顔を上げてくれ」
目の前のまんばちゃんが言った
それに続いてみんな顔を上げてとか土下座なんてしないでなんて声が飛び交った
でも私は顔を上げなかった
「主、もうよい。顔を上げてくれ」
宗近の声が近くで聞こえる
「無礼を許せ、主」
肩を持ち上げられた
白い布と青い布が見えてまんばちゃんと宗近に起こされたのが分かった
「主、茶でも飲んでゆっくりしよう」
顔をあげれずにいると鶯丸が来た
その言葉にうんと頷いた
一時解散になり、私は鶯丸さんと別室へ向かった
「主の記憶が戻ってよかった。俺はここへ来てまだ浅いから驚かせてもらったが、こういう時は茶を飲んで落ち着くのが1番だ」
「…鶯丸さん、ありがとうございます」
「なに、礼はいらない。許してくれなんて思わなくていい。俺達は主を信じているからな。裏切られたなんて思っていない」
そう言ってお茶を啜っていた
「…佳奈は俺達の主だ。主が居なければ俺達はこうして人の身を受けることができない。戦というものは総大将によって決まる。責めてはいない。あれも一種の戦の戦法だと考えればいい。ま、主はお転婆な戦法が好きなようだがな」
鶯丸さんの言ってくれたことが優しくて、湯呑みを両手でキュッと握った