第87章 捜索と救出
捜索が行われていた頃、本丸では燭台切は部屋に戻っていた
突発的に言ってしまったことを後悔していた
そんな所に髭切が来た
「燭台切、僕と話をしようか」
髭切は燭台切の隣に座る
「あまり君も思い詰めちゃ駄目だよ。長谷部なんか君を直々に折るって言って大変だったんだから…加州も大和守も山姥切も君を折るって凄んでたよ。みんなに宥められてたけどね」
「……僕は、主に言ったこと後悔したんだ。ただ僕の気持ちをぶつけただけじゃ困惑するのに。でも僕は言ってしまった。頭に血が上ったっていうのかな……冷静になったら、自分が怖くなった」
「そうだね。あの子が手入れ部屋に入るところ見たんだ。あの子、入る前立ちすくんでた。緊張した顔で中に入っていったよ」
「……っ、髭切さん、僕を折ってよ」
「それは無理だよ。僕の名前変わっちゃうからね」
「お願いだ、僕を「できないって言ってるでしょ?君かっこ悪いよ。折れたいなんて刀としてあってはならないことだよ。もう少し頭冷やしなよ」
「……ごめん、そう、だよね、刀として主に仕えるのが本分なのに………人間寄りだな僕は」
「僕達は刀。人の器に入ってるだけの存在。でも人の器に入ってても心が芽生えてしまう。難しいよね……人間は」
「………僕、主にちゃんと謝って、皆にも謝ってくる」
「うんうん、それなら僕も行くよ。君一人じゃ心配だからね」
燭台切と髭切は部屋を出て広間へ向かい、謝罪をして佳奈を探すということを言って屋敷を出た