第85章 アルバム
「これで以上だ………何か思い出したか?」
「……思い出せてないです。ごめんなさい」
「まぁ、直ぐには思い出せないだろう。焦ることはない。少しでもなにか思い出したら皆に言ってくれ……俺は厨当番だからそろそろおいとまさせてもらう」
山姥切さんがそう言って部屋から出ていく
隣に座っていた長谷部さんが少し移動して後ろから私を抱きしめてきた
「主、いや佳奈、と2人の時は呼ばせてもらっても良いですか?」
耳元で言われてドキドキする
「は、はい、いいですよ」
「ありがとうございます………俺は、貴方が死ぬんじゃないかと思った時、折れようと思いました。だが、皆はそれを許さなかった……だから生きていてくれて俺は嬉しいです」
「………私が、厚さんの刀で死のうとしたと聞いて、皆さんのことを信用していないと思ってしまいました。皆さんの強さを信用していないから、大将首の私が自害して負けたことをした。私は、主としてやってはいけないことをしてしまった」
「そんなことはないです、俺達は主と共に在る。でも佳奈は生きている、それでいいんです。俺達は誰一人欠けていない」
「……私は、主としてやっていけるのか不安です。さっき、傷だらけになって帰ってきた皆を少し見て怖かったです。戦場に居ることは政府の人たちから沢山聞きました。だけど、私は何も知らないままここへ来た。だから主としてやっていけるのか怖い」
そういうと長谷部さんの抱きしめる力が強くなる
大丈夫と言うように頭を撫でられた
それが少し心地よかった
「佳奈、俺はいつでも貴方の味方です。何かあったら直ぐに申してください。いつでも力になりますよ」
そう言って私から離れた