第80章 悪夢を見ると寝起きは悪い
少し苦しくて目が覚める
まんばちゃんは私に覆いかぶさって眠っていた
互いに裸でまだナカに入っていて、トロトロと溢れて出てる感覚がする
「んっ………佳奈、すまない。苦しかったよな」
まんばちゃんが起きて、少し寝起きの低く掠れた声でそう言って私から退いた
「体は痛くないか?」
「大丈夫だよ」
「なら良かった………湯浴みに行くか」
まんばちゃんのその言葉に自室にあるお風呂へ行って、また布団に潜り込んでまんばちゃんを抱きしめて眠った
私は夢を見た
周りは赤に包まれて炎の赤、血の紅が鮮明だった
また同じ夢だった
でも前に見た夢とは少し違った
前の夢と違うのは、見覚えのあるまんばちゃんと光忠の刀身が折れていて、私は泣き叫んでいて、死のうとしていた
長谷部が傷だらけで私の元へ来て何かを言って、そして傷だらけの皆が集まってきて、私は暗闇に包まれた
暗闇の中で私は堕ちていった
「…っ佳奈!」
「はぁ、はぁ、ゆ、めっ」
「大丈夫かっ、大分魘されていたぞ」
「……まんばちゃん、怖かった、怖くて、みんな、私、どうしたら」
「大丈夫だ、たとえ写しでも俺がここにいる。まだ夜中だ。支障をきたすだろうから寝よう」
「……ありがとう」
安心させるかのようにまんばちゃんは抱きしめてきて、また眠った