第30章 ※水も滴る
「兼さん、今日の兼さんやっぱり何かおかしいよ。ねぇ、お願い、教えて。それから堀川くんはどこへ行ったの?」
「国広は部屋にいる。風呂まで追いかけてきたから、とりあえず服を脱ぐ前に、国広を部屋へ追い返した」
「そうだったんだ。どこにも行かないでってどういうこと?」
「……今朝、演練に出た時あんたのことを言ってきた部隊が居たんだ。お前のとこの審神者は淫乱で刀剣に手を出していて、機密事項を犯してるからそろそろ政府に連れていかれるだろうってな」
言いづらそうな顔で兼さんがそういった
兼さんの言ったことに対して言葉を失った
「神隠しなんて迷信のもんができたらって思っちまった。そうすりゃ、アンタのことを悪く言う奴はいない平和な世界が生まれるなんてな…笑っちまうだろう?」
なんて言っていいかもわからず、黙ったまま兼さんを見つめた
「こうやって今あんたと繋がれているのはオレが手を出してるから。あんたは手を出していない。淫乱なのはオレがそうさせているから。あんたは悪いことなんてしてねぇよ。そんな泣きそうな顔すんな」
くしゃくしゃと頭を撫でてきて抱きしめられた
「オレはあんたとこうして繋がれて嬉しい。こうやって言葉を言うと締めてくる。今日はもう夜までこの部屋から出す気はないからな」
兼さんの言葉の後半部分に恐怖を覚え、抜こうとすると腰を掴まれた
「おっと、逃げるんじゃないぜ?」
その言葉を皮切りにまたピストン運動が始まった